頭端式ホームに古レールと木造の屋根が、終着駅の雰囲気を醸し出します。
この冬に2度ほど福岡に行く機会があり、その足で北九州を訪ねてきました。これから数回に分けて、北九州の鉄道風景を紹介します。最初は、門司港駅です。
明治初期に開港した門司港の周辺には、明治から大正にかけて造られた建物が多く残っていて、当時の雰囲気とその後の繁栄を今に伝えます。外国生まれの文化が色濃く漂う港の周辺は門司港レトロと呼ばれ、国内外から多くの観光客が訪れます。
鹿児島本線の起点となっている門司港駅はその入口にあって、木造の駅舎は明治24年に旧門司駅として建築され大正3年に現在の場所に移設されたものです。国の重要文化財に指定されていますが、平成30年までの予定で大規模保存修理工事が行われていて、外観を見ることはできません。少し残念でしたが、歴史を感じるプラットホームや着回し線の様子から門司港駅を起点に九州各地へ夜行列車が運行されていた頃を想像したり、すぐ横の車両基地に新旧の電車が憩う姿をカメラに収めたりと、駅舎を見られなくても十分に楽しむことができました。なお、工事の様子は専用のデッキから見学できます。