低く雲が垂れ込めるモノクロの世界を、上越線直通長岡行の下り一番列車が越後川口に向かいます。
春浅い飯山線、2日目は内ケ巻周辺を訪ねました。 内ケ巻駅の発着時刻は、9:08発の十日町行上り列車の次は、12:55発の下り越後川口行と、4時間も間が空いています。 生憎の雨模様に撮影は9時までと決めて、朝の通勤列車を中心に越後川口寄りの曲線区間で撮影しました。
朝の通勤列車の合間に、線路端の側溝からテンが顔を出しました。
長岡まで行った一番列車が戻ってきました。
この辺りは、地すべりによって出来た特徴ある傾斜地に、棚田や錦恋の養殖にも使われる池などが散在するような地域で、 越後岩沢-内ケ巻間にあった飯山線の高場山トンネルが、1970(昭和45)年の1月に地すべりによって崩落しています。 その時は前年から予兆があり、トンネル周辺で地盤変動の観測を続けていたところ、年が明けて地盤の動きに崩落につながるような変化が見られたため、 列車の運行を取りやめてバスで代替していたそうです。 この崩落事故は、災害発生を予測して車両や人への被害を防いだ事例として、今日まで語り継がれています。 その後、飯山線は路線の位置を山体の深い側に移して復旧し、新高場山トンネルで現場付近を通過しています。
この記事では、駅名をJR東日本の表記に従い「内ケ巻」と表しました。