雪解けの信濃川を渡る飯山線の気動車です。 背景は、東京電力リニューアブルパワー(株)が運転する信濃川発電所です。 約20km上流の西大滝ダムから取水し5台の水車を回す信濃川発電所は、一般水力による年間発電量で日本第2位を誇ります。
春浅い飯山線沿線を訪ねました。 選んだ場所は、以前から来てみたかった信濃川発電所のすぐ横を飯山線が通る、越後鹿渡-越後田沢間の鉄橋(信濃川橋梁)です。 飯山線沿線には、信濃川の水力を利用した発電所が立地しています。 東京電力の信濃川発電所のほか、十日町市にはJR東日本信濃川発電所を構成する千手発電所があり、これらの発電所や取水設備等の資材輸送に飯山線が使われました。 飯山線は1927年に長野側から飯山鉄道として越後田沢まで開通し、1929年に越後田沢-十日町間が開通して現在の飯山線区間が全通しています。 飯山鉄道は1944年に国有化され、越後川口-十日町間の十日町線を編入し、国鉄飯山線となりました。 一方、発電所の運用開始は、東京電力信濃川発電所、JR東日本千手発電所とも1939年です。 飯山鉄道は、建設段階から発電所建設のために増資を行うなど、信濃川とその支流の水力電力開発と深く関係してきました。
フキノトウが顔をのぞかせる谷あいを、単行の気動車が走り抜けます。