石巻線の前谷地駅周辺で撮影できた East i-D 電気・軌道総合試験車と、石巻線唯一のトンネル「鳥谷坂トンネル」を紹介します。
写真は、朝一番の貨物列車を待っていて偶然通りかかったJR東日本秋田車両センターの事業用気動車、East i-D です。
キヤE193系電気・軌道総合試験車といい、この編成で信号・通信、電力、軌道など、さまざまな検測を行います。
石巻線唯一のトンネル「鳥谷坂トンネル」を抜け前谷地に向かう、気仙沼線直通の気動車です。
鳥谷坂トンネルは、国鉄石巻線の前身の仙北軽便鉄道の開通とともに誕生したトンネルです。 イギリス積み煉瓦のポータルに、右から左へ仮名で「とやさか」と書かれた立派な扁額がかかり、日付は(明)治45年7月と読めます。 仙北軽便鉄道は大正元年の開通ですので、トンネルの完成に合わせた年月が書かれたものと思われます。 一方、仙北軽便鉄道は軌間762mmの軽便鉄道として開通しましたが、大正8年に政府に買収され大正9年に1,067mmに改軌しています。 当然トンネルの断面もそのときに変わったと想像しますが、現在の煉瓦積みのポータルや扁額がいつからのものなのか、興味は尽きません。