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『石炭のマチ・釧路』7回目は、ツアーの名称にもなっている「冬のSL冬の湿原号」を紹介します。
SL冬の湿原号は、JR北海道が運行する季節臨時列車で、釧網本線の釧路駅と標茶駅または川湯温泉駅間を走ります。2000年1月から毎年冬に運転され、JR北海道の動態保存蒸気機関車であるC11171、またはC11207が牽引します。重連で運転されたり、ディーゼル機関車を補機に付けたり、機関車の向きを変えたりと、さまざまな形態で運行されてきましたが、2013年はC11207が故障したためC11171が牽引するSL冬の湿原号の他に、旭川運転所のDE151520によるDL冬の湿原号が運転されました。
ツアー3日目は、釧路から終点の標茶までSL冬の湿原号に乗車しました。この日の湿原号は、標茶行きの機関車がバック運転となる設定で、(←標茶) C11 171 + スハフ14 505(1号車, 座席車)+ スハシ44 1 (カフェカー) + オハ14 526 (座席車) + オハ14 519 (座席車) + スハフ14 507 (5号車, 座席車) + ヨ4647(車掌車, ヨ3500形)という編成でした。
製造当初は特急列車に使われ、どちらかというと洗練された都会的な印象の14系客車ですが、屋根から突き出た車内のストーブにつながるH型の煙突からは室内で焼いたスルメの臭いが漂ってきそうな、何とも不思議な雰囲気でした。
標茶で列車の入れ替えや機関車の整備の様子などを見学した後、バスで茅沼駅に先回りして釧路行きの湿原号を待ちました。茅沼駅は、タンチョウの餌付けで有名な駅で、これまでに釧網本線の列車とタンチョウを絡めた写真が多く発表されています。時折、強い風で積もった雪が飛ばされてくるような、けっこう寒い環境で待つこと1時間、湿原号が茅沼駅を発車しました...が、あまりの暴煙と列車背後からの風に邪魔されて、列車が見えなくなるというハプニングが起こりました。こういうことも有るんですね。
前後しますが、ツアー2日目には釧路川にかかる鉄橋で湿原号を撮影する予定が組まれており、そのときに撮った写真です。この鉄橋は下部プレートガーター9連の長い橋梁で、編成全体を収めることができました。この日は比較的暖かく、厳冬の釧路川名物の「蓮の葉氷」は残念ながら解けかかっていました。
日中の見学や撮影の他、夜には自主参加の懇親会もありました。釧路臨港鉄道の会やツアー参加者の皆さんとの交流は大変楽しく、鍋を囲んでの時間はあっという間に過ぎました。釧路でのことは思い出したら後で書き加えることにして、次回は札幌へ戻ります。