かつて足尾銅山やそこで働く人の生活を支えたガソリンカーが復元され、足尾歴史館にある野外展示場の「足尾ガソリン軌道・歴史線」で動いています。
群馬・栃木を巡る鉄旅 ... 最終回は、わたらせ渓谷鉄道の通洞駅から近い足尾歴史館に、復元された足尾銅山馬車鉄道のガソリン機関車・客車や、珍しいフリクションドライブの機関車を訪ねました。
足尾のガソリンカーは、足尾銅山馬車鉄道で1925年(大正14年)に導入されたフォード製ガソリンエンジン搭載のL形2軸機関車(軌間610mm)で、足尾銅山とその周辺で1953年まで活躍していました。
ガソリンカーの復活は2009年で、それから70年前に製造されたフォード製のA型ガソリンエンジンを搭載しているそうです。2010年には旅客用客車も復元され、L型ガソリン機関車がこの客車を牽いて走る姿を、毎月第一土曜・日曜に見ることが出来ます(NPO法人足尾歴史館/利用案内/ガソリンカー )。
機関車のエンジンフードや客車の丸窓が印象的です。
花巻市の建設会社「伊藤組」で工事軌道のトロッコ牽引に活躍していたガソリン機関車で、フリクションドライブというエンジンにより回転する摩擦板に直角方向から摩擦輪を押し当て、その位置によって進行方向と速度を調整する古典的な変速装置が使用されています。なお、フリクションドライブの機関車としては国内唯一の動態保存機で、足尾ガソリン軌道・歴史線での復元にあたり508mmから610mmに改軌したとのことです。(機関車内に掲示された案内より)
実際にガソリンエンジンをかけフリクションドライブを操作して機関車を動かしているところで、摩擦板と摩擦輪がよく見えています。
このほかにも、珍しいナローの車両がたくさんあり、修復を待っていました。