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あすなろう鉄道 1.内部駅

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2015.08.05 線路端 三重 四日市あすなろう鉄道 内部線 762mm


△ 内部駅に停車中の電車、ク163ほか [2015.07, 内部駅, 三重県四日市市]
写真は、この春(2015年4月)、上下分離方式の新しい鉄道会社として列車の運行をスタートした四日市あすなろう鉄道内部線の終点、内部駅に停車中の電車です。

三重県の桑名・四日市方面にナローゲージの鉄道を訪ねました。
今回訪ねたのは四日市-内部(うつべ)・西日野を結ぶ四日市あすなろう鉄道の内部・八王子線と、西桑名-阿下喜(あげき)を結ぶ三岐鉄道北勢線で、どちらも軌間が762mm(2ft 6in)のナローゲージの鉄道です。

四日市あすなろう鉄道 1. 内部駅

四日市あすなろう鉄道の内部線、八王子線は以前は近鉄の路線でした。数年前、近鉄が赤字を理由にバス高速輸送システム(BRT)への転換を提案しましたが、これに四日市市が難色を示し協議が行われました。その結果、四日市市が近鉄から無償で貸与された施設を管理し、運用を近鉄と四日市市が共同出資する新会社「四日市あすなろう鉄道」が行うことになり、2015年4月から新しい形態での運転が始まりました。路線名は内部線と八王子線で、近鉄時代のままです。

△ 四日市あすなろう鉄道路線図

内部線は、1912年(大正元年)に三重軌道が軌道条例により開業した日永駅周辺の区間開業に始まります。その後、三重鉄道の設立による軌道条例開業区間の廃止と軽便鉄道としての四日市市-日永間の開業、会社統合による三重交通への移管などを経験します。1964年(昭和39年)、三重電気鉄道へ譲渡されるとともに、湯の山線の改軌(762mm→1067mm)による内部線・八王子線と湯の山線との直通運転廃止によって、ほぼ現在の路線に落ち着きます。翌年の1965年に近畿日本鉄道が三重電気鉄道を合併し、それ以来近鉄の路線として運行されてきました。


△ ク163の車体に描かれた「未来へはばたけ 四日市あすなろう鉄道」の文字 [2015.07, 内部駅, 三重県四日市市]

「『あすなろう』には、未来への希望(明日にむかって)や、内部・八王子線の特徴であるナローゲージ、将来にわたり市民の皆様とともに育てていく鉄道という思いを込めています、四日市あすなろう鉄道」とのことです。


△ 終点の内部駅に隣接する内部車庫とモ264 [2015.07, 内部駅, 三重県四日市市]


△ 内部駅構内の様子、ク114 [2015.07, 内部駅, 三重県四日市市]

次回は八王子線の終点、西日野駅の様子を紹介します。

ゲージ(軌間)
ナローゲージのゲージとは軌間、つまり2本のレールの間隔(車輪が踏むレール頭部の内側の幅)のことで、鉄道を規定する基本的なサイズの一つです。世界的に1,435mm(4ft 8.5in)が標準軌とされており、これより広い軌間を広軌、狭い軌間を狭軌と呼びます。日本では新幹線、近鉄、京急などが標準軌を採用しています。国内の多くの鉄道はこれより狭い軌間を採用し、京王(井の頭線を除く)、都営地下鉄新宿線、都電荒川線、函館市電などが1,372mm(4ft 6in)ですがこれは少数派で、JRの在来線を含む大多数の鉄道が1,067mm(3ft 6in)の軌間を採用しています。そのため、わが国では1,067mmの軌間を標準とすることもありました。これに対してさらに狭い762mm(2ft 6in)の軌間(ナローゲージ)を採用する鉄道があり、特殊狭軌線などと呼ばれています。日本のナローゲージ鉄道の多くは明治から大正にかけて建設された鉄道で、ほとんどの路線は廃止されてしまいましたが、今なお営業運転している鉄道会社が3つあり、そのうちの2会社3路線が桑名・四日市方面に集中しているのです。