1941年掘削で深さ72mです。
金津(かなづ)油田のある新潟市秋葉区は、新潟市南東の旧新津市を中心とする地域です。 現在の新津は、(株)総合車両製作所新津事業所がある鉄道の街として知られていますが、 明治時代から石油の採掘が盛んに行われた地域としても有名で、新津油田と呼ばれています。 油田の採掘は、つい最近(1996年, 平成8年)まで行われていたというから驚きです。
新津地区に分布する油田の一つに金津油田があります。 産業基盤がよく保存されていたことから、2007年(平成19年)に経済産業省により近代化産業遺産群に認定され、石油の里公園として整備されてきました。 2018年6月には石油の里公園が「新津油田金津鉱場跡」として国の史跡に指定され、また、金津油田を含む新津油田跡は2007年に日本の地質百選に選ばれていて、 この地域を歩くと今なお石油が染み出す地層をごく近くで観察したり、さまざまなタイプの石油の掘削井や石油処理施設群を間近に見学することができます。
新津市秋葉区にある石油の世界友の会が発行する詳しい資料「新津油田ガイドマップ 石油産業遺産めぐり-自然遺産と石油産業遺産-」を、金津にある「里山ビジターセンター」で購入し、珍しい石油を含む地層と石油掘削の産業遺産巡りの里山歩きに出発です。
1938年掘削、深さ91m。 里山ビジターセンターの裏からつながる里山に、たくさんの石油井戸やそれに動力を伝えた設備が配置されています。
木製の待ち桶が残っています。
1090年に設置された米国ナショナルサプライ社製二段式ナショナルポンピングパワーの1号機です。
ポンピングパワーは、小さな力をテコの原理で大きな力に換え、各石油井戸のポンプにつながった引張線に往復運動を伝えることで石油井戸のポンプを動かす動力装置です。
引張線の長さは200~300mもありました。
金津油田では、この装置で6台の継転機を使い55の石油井戸で原油をくみ上げていて、1996年まで動いていました。
石油の里案内板 13.「二段式ナショナルポンピングパワー1号機」、花と緑と石油の里 秋葉区
里山ですから当たり前ですが、見学コース沿いはスギの植林をはじめ、石油関連だけでない人々の活動の歴史を色濃く感じます。