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金津油田 3.C3号油井と泥溜

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△ クリックで大きな画像を表示 (新潟市秋葉区作成の見学コース案内板より)

2019.02.16 ぶらり 新潟 秋葉区 新津 金津 油田


△ 金津油田 C3号油井と関連施設の全景。 [2018-10、新潟県秋葉区金津]

石油処理施設群が残る一角から道路を隔てたところに、金津油田C3号油井があります。 1903年掘削のC3号油井(深さ194m)は、新津地区に現存する綱式機械掘りの油井の中で一番古く、建設から100年近く稼働しました。


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金津油田 3.C3号油井と泥溜


金津油田、最終回はC3号油井と泥溜(石油分離施設)を紹介します。

C3号油井の近くには、金津地区で石油に関する最初の言い伝えに「鎌倉時代の1221年に金津小二郎資義が築城の際に濠を掘ったところ、二つの神像が掘り出され黒い水(石油)が湧き出た」として登場する、開基坪という場所があります。開基坪では、昭和初期まで石油が染み出していたそうです。

C3号油井の周辺には、汲み出し行うための施設や石油と水を分離する施設などがコンパクトにまとまっていて、生産停止から23年が経った今でも石油の臭いが感じられる場所です。


△ C3号油井の動力伝達機構。 [2018-10、新潟県秋葉区金津]

C3号油井のポンピングパワーは、油井以外の装置にも動力を伝えていました。 小型のウォーキングビームなどの仕掛けを見ることが出来ます。


△ C3号油井のポンピングパワー(ベルト車)。 [2018-10、新潟県秋葉区金津]

逆光で見えにくいですが、ベルト車の裏側に大きなクランクシャフトがあり、ベルト車の回転を上下運動に換えています。 上下運動の力を油井のウォーキングビームに伝え、原油を汲み上げていました。


△ 分離池。 [2018-10、新潟県秋葉区金津]

原油を採った後の排水中には、まだ石油成分が含まれます。 そのため排水を分離池に注ぎ、サイホンの原理を利用してさらに石油分を回収します。 木桶の表面には、石油分が黒々とした層を作っていました。


△ ろ過池。 [2018-10、新潟県秋葉区金津]

各石油井戸で汲み上げた原油は、パイプラインで本部の集油所に集められ、比重の違いによって大まかに石油分と水に分けられます。 石油はポンプで集油タンクへ送り、水は地下パイプでこのろ過池に排水されます。 金津油田の原油は重質油のため水との分離が難しく、排水された水にはまだ石油が含まれています。 この石油をさらに分離するため、ろ過池はいずれもサイホンで連結されています。 時間をかけて水と石油の分離を待ちます。 表面に浮いたドロドロの石油分を「トンボ」(竹竿の先端に、竹棒をT字に結び付けたもの)で寄せ集めて柄杓で桶に汲み上げます。 汲み上げた石油は再びポンプで本部の集油所に送り返します。 この作業は「油返し」と呼ばれ、おもに女性数人が担当し、この方法で採れる石油はすべて吸い取る努力を毎日繰り返していました。 このろ過池のことを、当時は「泥溜」と呼んでいました。


石油の里案内板 18 「ろ過池」、花と緑と石油の里 秋葉区


他の鉱山には無い緑色の排水に浮かぶ黒々とした原油は、かすかな臭いとともにこの地域でかつて栄えた原油掘削の歴史を確実に今に伝えます。

新潟市秋葉区 石油の里