石地-小木ノ城の間にある小さな峠の近くまでやってきたところで、線路端に残る稲架木を見つけました。 稲架木のある水田の風景は、昭和30年代まで新潟平野のどこでも普通に見られたものです。 はざがけと言って、稲架木に渡した横竹に刈り取った稲穂を架けて、稲穂を乾燥するのに使われましたが、 機械乾燥が進んだことで「はざがけ」は不要となり、機械化の妨げになったり日陰を作ったりする稲架木は姿を消してしまいました。 稲架木のある鉄道風景は、頸城鉄道や越後交通栃尾線など、先輩たちが残した新潟県内のナローゲージの写真にも登場する、憧れの心象風景です。
サムネイルは稲架木の樹木「トネリコ」の萌芽。